山田悠介の「リアル鬼ごっこ」を読み終えました。
タイトルは耳にしたことがあったのですが、ホラー小説ということで敬遠していたことは事実です。
「リアル鬼ごっこ」は当時、20歳だった山田悠介のデビュー作で、
自費出版で30万部近く売り上げた実績をご存知の方も多いと思いますが
山田悠介の文章というより、感性(奇抜な発想)が脅威の売上部数を叩き上げたのだと思います。
おそらく、この小説はホラーに分類されるでしょうが
読み進めるうちに、タイトル「リアル鬼ごっこ」が持つ怖ろしい世界に捕らわれてしまいます。
その反面、舞台である1000年後の未来が、現在とは遜色なく描かれているので、時代錯誤を感じますが、
かえってそれが「リアル」を増す効果に拍車をかけているような気もしました。
また(後にわかったことですが)作者の山田悠介は
特別な発想を持っていたのではないということでした。
言葉を悪くすれば“適当”に過ぎなかったのかも。
ただ、「リアル鬼ごっこ」が怖いだけじゃなくて
更に、「リアル鬼ごっこ」のルールも怖いんです
王様‥逃げ切る‥処刑‥等の言葉の羅列に圧迫感を受けてしまいました。
そのため、途中から「リアル鬼ごっこ」の描写だけが気になってしまい、人間関係など考えなくなりました。
ある意味、難しいと言えば“難しい内容”かもしれませんが
どちらかというと、内容を理解するための小説ではなく
「リアル鬼ごっこ」の恐怖を体感するためのホラー小説という感じでしたね‥
今までにないタイプの作品でした。
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’08年に映画化された「
リアル鬼ごっこ」が今年更にスケールアップして
「リアル鬼ごっこ2」として再び映画化されるようです。
「リアル鬼ごっこ」は自費出版で100万部以上のベストセラーとなった山田悠介の処女作(’01年)。
映画では設定が変更されていたけど、主人公が「リアル鬼ごっこ」に巻き込まれ、
必死に疾走する姿が描かれていました。
あくまで私的な意見ですが、物語の内容がさほど難しくないことから、
小中学生からの圧倒的な支持がヒットに繋がったのではないでしょうか。
今回の「リアル鬼ごっこ2」はその続編ということでさらに鬼ごっこシーンに拍車がかかり、
どちらかと言えば、鬼ごっこというより“戦争”というイメージに近いようです。
小説で読んだときは、活字から伝わってくる状況からサスペンスホラーの要素が満載でしたが、
映画ではさほど“ホラー”という影響を受けませんでした。
その代わりに、命がけで疾走する主人公の表情が印象的で、タイトル通り“リアル”でしたね。
ホラーが苦手な私としては、小説よりも映画のほうがある意味、落ち着いて見ていられるので安心です。
「リアル鬼ごっこ2」は前回の続編ですが、その内容は作者の書き下ろしなのでしょうか?
詳しい情報が公表されていないため、気になります。
今のところ、映画の公開予定も未定なのでしょうか?