山田悠介の「リアル鬼ごっこ」を読み終えました。
タイトルは耳にしたことがあったのですが、ホラー小説ということで敬遠していたことは事実です。
「リアル鬼ごっこ」は当時、20歳だった山田悠介のデビュー作で、
自費出版で30万部近く売り上げた実績をご存知の方も多いと思いますが
山田悠介の文章というより、感性(奇抜な発想)が脅威の売上部数を叩き上げたのだと思います。
おそらく、この小説はホラーに分類されるでしょうが
読み進めるうちに、タイトル「リアル鬼ごっこ」が持つ怖ろしい世界に捕らわれてしまいます。
その反面、舞台である1000年後の未来が、現在とは遜色なく描かれているので、時代錯誤を感じますが、
かえってそれが「リアル」を増す効果に拍車をかけているような気もしました。
また(後にわかったことですが)作者の山田悠介は
特別な発想を持っていたのではないということでした。
言葉を悪くすれば“適当”に過ぎなかったのかも。
ただ、「リアル鬼ごっこ」が怖いだけじゃなくて
更に、「リアル鬼ごっこ」のルールも怖いんです
王様‥逃げ切る‥処刑‥等の言葉の羅列に圧迫感を受けてしまいました。
そのため、途中から「リアル鬼ごっこ」の描写だけが気になってしまい、人間関係など考えなくなりました。
ある意味、難しいと言えば“難しい内容”かもしれませんが
どちらかというと、内容を理解するための小説ではなく
「リアル鬼ごっこ」の恐怖を体感するためのホラー小説という感じでしたね‥
今までにないタイプの作品でした。
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